「プレーファスト(play fast)」とは「速やかにプレイせよ」という意味合いの言葉です。
念のためですが「プレーファースト(play first、最初にプレー?)」ではありません。
ハーフラウンド(パー36の9ホール)の終了目標時間として2時間15分以内を設定しているゴルフ場が多いですが、中には2時間以内を終了目標時間として設定しているゴルフ場もあります。
ただ、実際にゴルフコースでラウンドしてみると、2時間15分以内で回れなかった、という経験も多いのではないでしょうか。
ゴルフコースを自動車道路に例えると、片側1車線の追い越し禁止の道路と同じで、前の組が遅れると後ろの組は前に進めずに、結果的にハーフラウンドの終了目標時間は2時間15分を越えてしまいます。
渋滞の結果として遅れてしまうのは仕方ない面もありますが、このように渋滞を引き起こす原因となる車にならないように、自分の組のプレー速度には注意が必要です。
キャディーマスター室では遅れているカートの状態を常に監視しており、遅れがひどくなるような場合には、ゴルフ場のスタッフが該当カートのところへ向かって、プレーファストを促します。
プレーヤーが自分のプレーに使える時間には「使用権利」的な部分と「短縮義務」的な部分があると思います。
使用権利的な部分としては、ショットに使える時間、ボールが探せる時間 などで、許される範囲で最大限まで活用しましょう。
短縮義務的な部分としては、ショットの準備をする時間、ショット後の移動時間 などで、明確な許容範囲は示されていないこともあり、可能な限り短くする努力が必要です。
キビキビと動いて準備作業はスマートで、ショットの時は集中して良い結果を出せるプレーヤーは、周りから見ていてもキャディから見ていても、一目置かれるでしょう。
遅れが出る原因は様々ですが、プレーヤーとしてやキャディとしての経験から代表事例を挙げると次のようになります。
・林の中へ打ち込んでしまったティーショットのボールをいつまでも探している。
このような場合によく聞くフレーズは「無くなるようなボールじゃ無かったよね、可笑しいな、この辺に絶対にあるはずだけど、・・・」。
許されているボール探し時間は過ぎてしまっています・・・。
・グリーン上での超ロングパットのパッティングライン読みを入念過ぎるほど行っている。
このような場合に最後になって困るのは「う~~ん、難しいな、分からない。キャディさん、どう思う?」って聞かれても、・・・。
・ジェネラルエリアからグリーンを狙うショットの時にボール位置まで1本だけクラブを持って移動してショット。
しかし、残念ながらショットが失敗してしまったので、アプローチ用のクラブを取りにカートへ戻る。
キャディとしては1本だけゴルフクラブを持って移動されようとしているプレーヤーにアプローチ用クラブの携行をお願いするのは少しだけ失礼かなと考えます。
なので、失敗が予見された時点でアプローチ用クラブを持ってプレーヤーのところへの移動を始めて、結果を確認してから全力疾走で届けることで対応します。
参考までに。
関東ゴルフ連盟は、ゴルフ本来の精神を再確認すべく、「Play fast」をテーマに掲げています。
これは、スロープレーの追放のみならず、ゴルファーとしての心構えを呼びかけるものです。
言葉の語源は、「プレーは早く、スウィングはゆっくり」という英国のことわざによるものです。