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2026年9月30日〜10月3日、春日井カントリークラブで開催された「第20回アジア競技大会(2026/愛知・名古屋)」ゴルフ競技。
今回、GOLKANO.から私を含む8名が、帯同キャディとして参加させていただきました。

最初にお話をいただいたときは、まさか私たちが日本代表選手のキャディを務めることになるとは思っていませんでした。
最終的には、日本代表6選手のうち4選手、そしてバングラデシュの男子選手3名、ベトナムの女子選手1名を、GOLKANO.のメンバーが担当。
そして私は、さまざまなご縁と巡り合わせが重なり、TEAM JAPAN・長澤愛羅選手の帯同キャディを務めさせていただきました。
長澤愛羅選手は、2026年の日本女子アマチュアゴルフ選手権で優勝。
さらに資生堂・JAL レディスオープンでは、7人によるプレーオフの末に2位タイになるなど、これからの活躍がますます楽しみな選手です。
指定練習2日間、そして試合4日間。
計6日間、一番近くでプレーを見させていただきました。
思わず鳥肌が立つようなショットやパットを、何度見たことか。
特に最終日は圧巻でした。
7バーディー、1ボギーの「64」。
6アンダーという素晴らしいプレーで、最終的には通算4アンダー、9位タイで大会を終えました。
でも、私がこの6日間で強く印象に残ったのは、ゴルフの技術だけではありません。
大会では、中国の殷若寧(Yin Ruoning)選手をはじめ、世界トップクラスの選手たちと同組になる機会がありました。
殷選手は世界ランキング6位。
今大会でも銀メダルを獲得した、まさに世界のトッププレーヤーです。
そんな選手たちと同じ組になっても、愛羅さんは物怖じする様子がありません。
むしろ、
「一緒に回れるなんて光栄だね」
と話していたくらい、ワクワクしている。
そして相手選手が素晴らしいショットを打てば、
「鳥肌立った!」
と素直に感動する。
入るか入らないかという相手選手のパットを見ながら、思わず「入れ!」と願ってしまう。
もちろん自分も勝負をしているのに、相手の素晴らしいプレーを心から称えられる。
その姿を間近で見ていて、技術だけではなく、一人のアスリートとして、人として、本当に素敵だなと思いました。
これからもっともっと世界で活躍していく選手になるのだろうな。
そんなことを感じた6日間でした。

指定練習の2日間より、むしろ試合に入ってからの4日間の方が、いろいろな話をしました。
共通の知人の話。
好きなプロゴルファーの話。
そして、本当に他愛もない話まで。
試合中とは思えないほど落ち着いている姿を見ながら、
「この落ち着きぶり、本当に大物だな……」
と何度思ったかわかりません。

今回もう一つ、強く感じたことがあります。
それは、ギャラリーの皆さんの存在です。
たくさんの方に見守られ、応援していただけることは、本当に大きな力になります。
選手と一緒にいないタイミングでも、
「キャディさんも頑張って!」
と私にまで声をかけてくださる方がいて、とても嬉しかったです。
そして今回、
「今度、自分がゴルフ観戦に行ったら絶対にやろう!」
と心に決めたことがあります。
それは、良いショットにはしっかり拍手をすること。
そして状況が許すなら、「ナイスオン!」とリアクションを返すこと。
春日井カントリークラブのグリーンは、ポテトチップスどころではないほどアンジュレーションが強烈でした。
打ち上げでグリーン面が見えないホールでは、ショットを打った後もボールがどこに止まったのか、選手とキャディからは見えません。
そんなとき、ギャラリーから歓声も拍手も聞こえないと、
「あれ? 手前だったかな?」
「もしかして奥まで行っちゃった?」
と二人で不安になりながらグリーンへ向かう。
ところが着いてみると、
「なんだ、めちゃくちゃ良いところにあるじゃん!」
ということが何度もありました(笑)。
何せ、春日井のグリーンは落ちどころによっては、そのままグリーンの外まで転がり落ちてしまうほど。
だからこそ、見えない場所から打つときのギャラリーの反応は、とてもありがたいものでした。
皆さんもゴルフ観戦に行かれた際には、ぜひ良いプレーに拍手を送ってあげてください。
そのリアクション、ちゃんと選手たちに届いています。
普段のキャディと、競技の帯同キャディ。
仕事内容はもちろん大きく違います。
今回の私は、ドリンク、距離計、ヤーデージブック、日傘などを、その時々に応じて愛羅さんへ渡していました。
何を、どのタイミングで渡すのが一番スムーズなのか。
試合を重ねながら少しずつ分かるようになり、最終日になって、ようやく本当の意味でスムーズになってきたかな、というレベル。
私自身、本当に勉強させてもらいました。
今回は電動トロリーを使用しましたが、階段や急な坂道は通れないため、選手と同じルートを歩けず、遠回りしなければならない場面もあります。
「本格的に帯同キャディをするなら、やっぱりバッグを担げた方がスムーズだな」
ということも、実際にやってみて初めて分かったことでした。
でも、6日間を通して改めて感じたのは、
キャディの本質は、普段のキャディも世界の舞台も変わらない
ということです。
「この人が今、何を必要としているのか」
「どうしたら、目の前の一打に気持ちよく集中できるのか」
相手が言葉にする前に考えて、先回りして動く。
これは、私たちが普段からキャディの育成で大切にしていることそのものでした。

そしてもう一つ、とても印象的だったこと。
世界トップクラスの選手たちは、朝一番に同組の選手へ挨拶するだけではありませんでした。
相手のキャディにも、スコアラーにも、きちんと挨拶をする。
18ホールを終えた後も同じです。
ゴルフが上手いことだけが、一流なのではない。
一緒にその試合をつくっている人たちへの敬意を、当たり前のように表現する。
こういうところも含めて「世界のトップ選手なんだな」と感じました。
TEAM JAPAN女子を担当されていた岩本砂織コーチからも、多くのことを学ばせていただきました。
慣れない国際大会での帯同キャディということもあり、私は少しでも愛羅さんの力になりたいと思い、
「何か私が気をつけた方がいいことはありますか?」
と岩本コーチに伺いました。
すると、
「彼女は自分で考えて動けるので大丈夫です」
という趣旨のお話をしてくださいました。
岩本コーチが大切にされているのは、選手自身に考えさせること。
指定練習日には、グリーン上の4か所にカップを想定した目印を置き、アプローチ、パッティング、バンカーショットまで細かく確認していました。
「このピン位置なら、エッジから何ヤードキャリーさせないと下の段へ落ちる」
そんなところまで想定して準備する。
けれど、すべての答えをコーチが与えるのではなく、最後は選手自身が考え、判断できるようにする。
これはゴルフだけではなく、「人を育てる」という意味でも、とても印象に残りました。
私自身もキャディ育成に携わる一人として、たくさんの学びをいただきました。


そして今回、個人的にもう一つ、とても嬉しかったことがあります。
GOLKANO.でキャディを学んだCaddy Homme第1期の受講生も、私たちと一緒にこの大会に参加していました。
そして担当させていただいたのは、TEAM JAPANの後藤あい選手。
もちろん、Caddy Hommeを受講したら日本代表選手のキャディになれる、ということではありません。
今回の機会は、たくさんのご縁とタイミングが重なって生まれた、本当に特別なものです。
それでも、講座を始めた頃には想像もしていなかった景色に、受講生と一緒に立っている。
そのことが、私はとても嬉しかったです。
キャディという仕事を知り、学び、実際に現場に立つ。
その先にどんな出会いや経験が待っているのかは、最初から誰にもわかりません。
だからこそ、何かに一歩踏み出すことには意味があるのだと思います。


大会の結果は、男子個人で比嘉一貴プロが銀メダル。
男子団体は銅メダル。
そして長澤愛羅選手は、最終日の「64」で大きく順位を上げ、個人9位タイで大会を終えました。
今回、世界トップクラスの選手たちが集まる舞台に、GOLKANO.のメンバー8名で携わらせていただけたこと。
そして私自身、TEAM JAPAN・長澤愛羅選手のキャディとして6日間を過ごさせていただけたこと。
これは、私にとってもGOLKANO.にとっても、忘れることのできない経験になりました。
今回このような貴重な機会をいただき、私たちGOLKANO.のメンバーに帯同キャディという大切な役割を託してくださった、アジア競技大会ゴルフ競技運営の足立美都樹さん。

そして大会運営に携わられた皆さま、TEAM JAPANの皆さま、一緒に6日間を走り抜けてくれたキャディ仲間たち。
本当にありがとうございました。
GOLKANO.が掲げている理念は、
「ゴルフで可能性を広げる」
です。
好きだったゴルフが仕事になり、
その仕事を通じて人と出会い、
そして時には、自分では想像もしなかった舞台へ連れていってくれる。
今回、私自身だけではなく、受講生が同じ舞台に立つ姿を見て、その言葉の意味を改めて実感しました。
一歩踏み出した先に、今の自分にはまだ見えていない景色がある。
人生を変えるきっかけは、意外なところにあるのかもしれません。
私にとって、そのきっかけの多くは、やっぱりゴルフから始まっています。




